空海の「ことば」、それは宇宙や大自然のことばであり、如来のことばである。空海と「行」的境地を共有する機会を持たない人たちに、空海の「ことば」の理解を通してその思想と個性を伝える。
従来の伝統的な教学の視点とは全く異なる、斬新な視点から空海の「ことば」と思想をとりあげ、解読し、解釈する。 |
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空海の「ことば」の世界
村上保壽 著 |
| A5判・上製・244ページ |
定価2,940円
（本体2,800円＋税） |
| ISBN4-88591-860-X |
| 2003年9月 初版刊行 |
| 2刷 |
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■細目次
序
第一部 『開題』を読む̶教学的世界
第一章 『開題』に見る真言宗学の意識
はじめに／真言宗の経典解釈／三部による解釈の意味／真言密教から真言宗へ／『異本即身義』の真言宗／おわりに
第二章 一切如来をめぐる問題
はじめに／『金剛頂経開題』の一切如来／『真実経文句』の一切如来と撰述時期／一切如来理解の変遷と論理／おわりに
第三章 法身説法の思想とその変遷
はじめに／『二教論』における法身説法／『開題』における法身説法／空海の法身説法の思想／おわりに
第四章 加持の概念と加持祈祷
はじめに／『大日経開題』に見られる加持／『金剛頂開題』に見られる加持／空海の加持解釈の独自性／加持祈祷と加持の構造／おわりに
第五章 三昧耶と入我我入の概念
はじめに／問題の所在／三昧耶と三昧・三摩地の用例／三摩地と三昧耶の関係／入我我入と三昧耶／おわりに
第二部 「ことば」と曼荼羅̶思想的世界
第一章 『吽字義』の俯瞰的考察
はじめに／存在への問い／世界への態度／諸法の不可得から「三句」へ／吽字の実践性／おわりに
第二章 声字実相と六塵の文字
はじめに／声字実相の概念／密の五大と仏界の文字／六塵の文字とその実相／おわりに
第三章 真言と曼荼羅
はじめに／真言の語義について／空海の真言理解／「ことば」の開示する世界／おわりに
第四章 即身と曼荼羅の思想
はじめに／形式としての曼荼羅理解／『即身義』における曼荼羅の概念／三密と大悲の表象としての曼荼羅／おわりに
索引（事項・空海の撰述書・経論） |
| むらかみ・やすとし…1941年京都府生まれ。1967年東北大学大学院文学研究科修士課程実践哲学専攻修了。東北大学助手。1972年以降、山口大学講師、助教授を経て教授。1990年高野山大学密教文化研究所教授。現在、高野山大学文学部教授。博士（文学）東北大学。伝燈大阿闍梨。著書『空海と智の構造』（東方出版）、『弘法大師の救済論』（高野山出版社）、『高野への道』（共著・高野山出版社）など。 |
