看護婦たちの 南方戦線

大谷 渡 [著]

ISBN978-4-86249-182-4
帝国の落日を背負って
   前著『台湾と日本』の取材過程で出会った台湾人元陸軍看護婦の証言から浮かび上がった戦場の看護婦たち。マニラへ派遣された日本統治下の台湾人看護婦と日本人陸軍看護婦や日赤救護看護婦の証言から、
部隊と運命を共にした彼女たちの生き様を綴る。日中戦争、太平洋戦争の実相を現代史の視点からあらためて問い直す。
看護婦たちの南方戦線
大谷 渡 著
四六判・上製・241ページ
本体2,800円+税
ISBN978-4-86249-182-4
 2011年 7月 刊行
 ■目次■
はしがき
第一章 御下賜の菊
出征のとき  軍港馬公から 菊を拝して 本院勤務  エスコルタ街 川島姉妹 台南の官舎で 自立を求めて 一七歳の陸看
第二章 京都編制の陸軍看護婦   
 一九四二年暮れ  京都の生まれ  生涯の友  名古屋班の婦長  衛生兵と陸看
第三章 軍政下の南方第十二陸軍病院   
 『軍政公報』第一二号  一周年記念演芸会  『軍政公報』の廃刊  後送の傷病兵
第四章 ルソン戦場と敗戦
 マニラへの空襲  還送をめぐって バギオへ撤退  米軍の上陸  バギオへの爆撃  病院主力の移動  戦力喪失と食糧の欠乏  ラウレル大統領の亡命  バギオ後送の傷病兵  父の戦死をたずねて  バギオ脱出  バレテ峠失陥  「竹薮病院」の放棄  最後の砦へ  陸看大倉班の行程  矢田婦長の戦死  慰安所にいた女性  敗戦 アシン渓谷を出る  米軍収容所へ  収容所での日記  川島繁子の復員
第五章 大阪筆ヶ崎と日赤救護班  
 日赤大阪支部病院  最新設備での教育  救護班の派遣  『院友』第二六号  応召者の戦死、戦病死  文芸欄の作品から  第三〇二救護班大阪班  殉職者の記録  筆ヶ崎の思い出  日赤福岡支部に応召  空襲下の勤務  級友を亡くす  戦場での友の死
第六章 『遺芳録』と『野戦病院』  
 救護看護婦の戦没者  『遺芳録』の記録から  死没年と死没事由  ビルマ第一〇六兵站病院  『野戦病院』
第七章 広東派遣の台湾人看護助手 
 海外派遣篤志看護助手  第一回の応募熱  訓練と出発  茂松秀子の青春  広東第一陸軍病院  幼稚園の保母から  大阪の救護班と共に  広東二陸伝染病棟  敗戦と別離  花地の「集中営」  総督府海外派遣看護婦  海南島の占領  博愛病院  ベトナムへ
  あとがき 
 文献一覧
おおや・わたる……1949年奈良県生まれ。関西大学文学部教授。関西大学大阪都市遺産研究センターサブリーダー。日本近現代史専攻・博士(文学)。関西大学文学部卒業、関西大学大学院修士課程修了。著書に、『管野スガと石上露子』『天理教の史的研究』『北村兼子 炎のジャーナリスト』『大阪河内の近代』『台湾と日本 激動の時代を生きた人びと』があり、編書に『石上露子全集』(いずれも東方出版)がある。
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